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かったためとも思われる。
これら早期癌の発見と検診については、現在、「真の治療に結びつく癌の発見率と検診の必要性が実証されていない」と慶応大学の近藤誠医師が一石を投じ、喧々誇々の様相を呈しているが、検診を受けることによって与えられる利益と危険、発見されたものの悪性度・良性度、発見率に対する経費の損得など、いろいろな問題が提起されているように思う。
ただ、われわれ健診医療従事者が目指すものは、受診者のよりよい健康生活の実現のための支援である。そのためには現在日本で行われているような一律の健診ではなく、個々の受診者の状態に応じたもの、たとえば危険度予知の結果を生かし、その個人に合った検査および検査の頻度を処方するというような細やかなサービスが必要になってくるのではないだろうか。

 

 

 

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